尻草子

頭とお尻を使って読んでください。

「9月30日のろくでなし子さん参加イベントに対しての抗議、一連の経緯に関する質問」をアムネスティ・インターナショナル日本宛(info@amnesty.or.jp)に送りました。

 以下内容

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アムネスティ・インターナショナル日本様

9月30日のろくでなし子さん参加イベントに対しての抗議、一連の経緯に関する質問

 

こんにちは、Sと申します。

今回はろくでなし子さんをゲストにむかえたイベント開催に対する抗議と、開催、中止から再開催に至る経緯の「公開可能」な情報の開示をお願いしたくメールを差し上げました。

訂正部

 

1.イベントの開催に対する抗議

まず最初に、私は今回のイベントの開催、また今後もAIがろくでなし子さんを公式にゲストとして招待することに対して反対をします。

すでにいくつかの指摘があるように、ろくでなし子さんは過去にツイッターにおいて何度か民族差別的、反人権的な発言をされており、それぞれが訂正や削除もされておらず現在でもその内容が確認できます。

 

(以下がその一部です)

「(バイセクシャル自認のアカウントに対して)何度でも言う。マイノリティ特権を振りかざしてワガママを言う人、世間から気の毒がられたい人は、動物愛護団体キリスト教会にでも行って慰めてもらえばいい。わたしはボランティアじゃないですから。」

 https://twitter.com/6d745/status/764466856463773696

田代まさしさん、トイレのドアの鍵なし、ドア無し、男女共用トイレ当たり前の中国に住んだら覗き見し放題で幸せなのにね…とふと思う」

「中国は女性も自己主張激しい方が多いので、ものすごく怒られるというリスクがあります」

  https://twitter.com/6d745/status/620089662229516288

 https://twitter.com/6d745/status/620090498317856769

ファビョる

 http://togetter.com/li/915713

 

いずれも特定のジェンダーセクシャリティ、国籍、民族に対する差別の文脈に大いに依存しており、それぞれの属性を持つ方々の権利に対し大きな負の影響を与える言葉として機能しうると言えるでしょう。

公共空間において、他者の権利が著しく侵害されるような言説が個々人の権利の調整の結果として制限されます。私は現代においてその一連の手続き全体が一個の「自由」という概念、理念を指していると考えております。

過去の引用部のような自身の発言を未だに撤回していないろくでなし子さんに対して発言の場を、ましてこれまでマイノリティの人権の保護活動を積極的に行い、その歴史の積み重ねを持つアムネスティという空間において、提供するということ自体が、今回のイベントのテーマである「表現の自由」の根幹を脅かす要素となるのではないでしょうか。

よってろくでなし子さんのゲストとしての資質の是非という問題は「当日に議論を行い補完する」というような性質のものではないと思われます。

(活動の社会的な位相や政治性は大きく異なりますが、例えば「在日特権を許さない市民の会」に公共の場での発言の機会を与えるべきではない。といった話と同様の理論に基づいています。)

 

もちろん、ろくでなし子さんが警察によって不当に逮捕、拘禁された経緯は紛れもない人権侵害であり、ろくでなし子さんが取り扱う、女性器が社会においてどのように位置づけられ抑圧されているかというテーマは大いに語られるべき問題です。

その問題の一部を顕在化したという点についてはろくでなし子さんの功績を疑うことはできないでしょう。

しかし、ろくでなし子さんが取り上げた問題やその視点の正当性を積極的に認め、議論すべきであるということと、ろくでなし子さんの過去の発言に対する責任を追及すべきであるという二つの課題は同時に存在しているのです。

 

2.一連の経緯に関する質問

また、既に今回の騒動をめぐって、各所からAIに対する不満、不信感の声が上がっています。

第一には、前述したような理由によるイベント開催の是非に対する疑問です。

そして第二にはイベントの開催、中止、再開催をめぐる経緯が一部のメディアによって断片的にしか公開されていないこと、運営に対しての疑問です。

例えば、ろくでなし子さんは「メールだけでの一方的な中止のお知らせに、非常に憤りを感じています。」とツイッターにおいて発言されていますが、

  https://twitter.com/6d745/status/780671854071586816

事実であればイベント開催の是非に関わらず、その対応自体が不誠実なものであり今後の団体運営において改善されるべきであると思われます。

また現時点(2016年9月29日23時57分)においてAIのHPや公式ツイッターアカウントにおいて詳細な経緯説明などは確認できておりません、
既にネットニュースやSNSなどを通じて一連の騒動、イベントの是非に関する議論は多くの人に共有されており、AI関係者、当日イベント参加予定者のみならず、議論を共有する方々に対して情報の共有、公開をする責任がAI事務局にあると思われます。

よって今回のイベント開催、中止、再開催に関する以下の質問を行わせていただきます。下記のメールアドレスへの返信にてご回答のほどよろしくお願いいたします。
なお、回答の期限は(訂正部)2016年10月6日とさせていただきます。

また頂いたご回答については(またご回答頂けなかった場合その旨を)私個人のブログ、SNSアカウントを通じて公開させていただきます。私の個人情報保護のため、所属と名前は伏せさて頂きます。
 
S メールアドレス

1)事務局はイベント開催以前にゲストとして迎える前にろくでなし子さんについてどのようなリサーチを行われたのでしょうか。特に問題となった発言が掲載されたツイッターにおけるろくでなし子さんの活動についてはどの程度把握されていたのでしょうか。

2)イベント中止の判断にあたってはどのような基準を適用されたのでしょうか。J-CASTニュースの記事に「ろくでなし子氏の発言や主義主張に異議を唱える方々からのご意見が数多く寄せられたため、当初の予定通り企画を実施することが困難だと考え、イベントを中止いたしました」と回答されていたように、
 http://www.j-cast.com/2016/09/28279234.html?p=all
ろくでなし子さん自身に対する各所からの批判がその判断に影響したということは全くなかったのでしょうか。

3)イベント再開催を決定される判断はどのように行われたのでしょうか。最初の中止判断の理由が上記の記事の取材においてAIが回答されている通り「ろくでなし子氏の発言や主義主張に異議を唱える方々からのご意見が数多く寄せられたため、当初の予定通り企画を実施することが困難だと考え、イベントを中止いたしました」「『表現の自由と人権』というテーマが話し合える環境ではなくなったと判断しました」であったとすれば、それらのような諸問題が中止から再開催決定の期間において解決された、あるいは状況に大きな変化があったということは考えづらいと思われます。中止と再開催の判断には別々の基準が採用されていたのではないでしょうか。

4)AIは「ろくでなし子さんの過去の発言、および現在の政治的スタンスは差別的である。」という批判はどのように評価されているのでしょうか。「差別的ではない」とお答えになる場合はなぜか、「差別的である」とお答えになる場合はなぜそれでもイベントの再開催に踏み切られたのかとあわせてお答えください。

5)論点共有のため、イベント当日の議論、開催に対する批判に対してろくでなし子さんからどのような言及、参加者との議論があったのかの議事録や情報をネット上に公開してください。(イベントが開催された場合)

 

 

 

※このメールは私自身のプライバシー保護、所属先や実名を伏せるために「公開質問」という形式は取っておらず、メールの文面の一部を省略、訂正しております。ご了承ください。